
「うちのチームにも、プロのコーチを入れたほうがいいのかな」
「外部コーチを頼みたいけど、本当に効果があるのか分からない」
ミニバスや中学の部活、クラブチームの指導者の方、保護者の方から、こうした相談をいただくことがあります。
僕は外部コーチとしてチームに入る仕事をしていますが、どのチームにもプロコーチが必要だとは思っていません。
入れたほうがいいチームもあれば、今は入れなくてもいいチームもあります。
この記事では、10年以上中学の部活やミニバスに外部コーチとして関わってきた僕が、その見分け方をお伝えします。
プロコーチを入れた方がいいチーム
1. 顧問の先生がバスケ未経験
部活動では、バスケ経験のない先生が顧問になることも珍しくありません。
実際に、「顧問がバスケ未経験で、新チームのディフェンスの基礎を教えてほしい」というご相談もいただいています。
この場合、プロコーチが入る意味は、選手を教えることだけではありません。
指導の様子を先生に見てもらうことで、次の練習から先生が使えるポイントが分かります。
2. 指導者が足りず、全員に目が届かない
人数の多いチームで、指導者が1人か2人しかいない。
そうなると、どうしても一人ひとりのフォームまでは見きれません。
シュートやドリブルのように、選手ごとに直すところが違う技術は、外から人が入ることで一気に見られる人数が増えます。
3. 小さい選手が、チームで力を出せていない
個人レッスンを続けてきて、ずっと引っかかっていたことがあります。
レッスンで身につけたものを、チームでは出せないまま終わる子がいることです。
これは選手のせいでも、チームの指導者のせいでもありません。
選手が持っているものと、チームが求めているものが噛み合っていない。
それだけのことです。
背の低い選手が多いチームや、大きい相手にいつも同じ負け方をしてしまうチームは、小さい選手の戦い方を知っているコーチを入れる意味があります。
4. 「ここを見てほしい」という目的がはっきりしている
「シュートフォームだけ見てほしい」
「小さい選手への声かけを、指導者が学びたい」
こういう目的がはっきりしているなら、1回のクリニックでも十分に価値があります。
5. チームを長い目で変えていきたい
「毎年同じところでつまずく」「チームの土台から変えたい」という場合は、継続して入るプロコーチが向いています。
継続して入れると、季節ごとにテーマを変えられます。
今僕が入っているチームでは、まずオフェンスから手をつけて、ディフェンスは夏以降にまとめてやる、という順番で進めています。
ひとつ形になってから、次に行く。
これは単発のクリニックではできないやり方です。
6. 何年も結果が出ていない
練習はしっかりしているのに、何年も同じところで負けている。
毎年メンバーは変わるのに、結果が変わらない。
この場合、選手ではなくやり方そのものを見直すタイミングかもしれません。
中にいると当たり前になっていることも、外から見ると気づけることがあります。
7. 今のやり方で合っているのか不安
「この練習で本当に上手くなっているのかな」
「教え方、これで合っているのかな」
指導者が一人で悩みを抱えているチームも、プロコーチを入れる意味があります。
合っているところは「合っている」と分かるだけで、自信を持って続けられます。
変えたほうがいいところがあれば、その順番も一緒に考えられます。
プロコーチを入れなくてもいいチーム
ここからは、自分の首を絞める話です。
でも、依頼してから「思っていたのと違った」となるのが一番もったいないので、正直に書きます。
1. 「1回来てもらえば強くなる」と考えている
年に1回、2時間のクリニックでチームが変わることは、ほとんどありません。
その日は盛り上がります。
でも、次の練習からは元に戻ってしまいます。
理由は習慣です。
例えばツーハンドで打ってきた子にワンハンドを教えると、その場では「たしかにこっちのほうが良さそう」と納得します。
でも、試合で緊張した場面が来たら、体は今までやってきたほうを選びます。
何千回も繰り返してきた動きのほうが、圧倒的にやりやすいからです。
「チームを強くしてほしい」という依頼なら、単発ではなく継続でないと難しい。
僕も、ご相談の最初にそうお伝えしています。
2. 指揮を執る人を一本化できない
外部コーチを入れるとき、いちばん怖いのは現場の混乱です。
先生と外部コーチが違うことを言い出すと、選手が困ります。
僕が今入っているチームでは、指揮を執るのはチームの先生と決めています。
僕は方針を先生とすり合わせたうえで、担当する部分をやる。
この線引きができないなら、プロコーチは入れないほうがいいです。
線引きがないまま入る外部コーチは、チームを壊します。
3. 何をしてほしいのかが決まっていない(のに、急いでいる)
「何となく、プロに見てもらったほうがいい気がする」
この段階で日程だけ先に決めてしまうと、当日の内容がぼやけます。
まずはチームで「何に困っているか」を一つ出してみてください。
シュートが入らない、ボール運びで取られる、大きい相手に勝てない。
一つ決まれば、単発でいいのか、継続がいいのかも見えてきます。
決めきれない場合は、その段階で相談してもらって大丈夫です。
4. 金額を気にして、単発で済ませようとしている
プロコーチを入れると、当然お金がかかります。
そのため「まずは1回だけ」「年に1回なら」と、金額を理由に単発で入れるチームも多いです。
もちろん、目的がはっきりしている単発のクリニックには価値があります。
でも、「チームを強くしたい」のに金額だけで単発を選ぶと、上に書いた通り、その日は盛り上がっても習慣は変わりません。
結果的に、払った金額に見合う変化が残らないことになります。
「チームを変えたい」なら、1回にまとめてお金をかけるより、月1回など、無理のない頻度で続けられる形を考えたほうがいいです。
続けられる予算がまだないなら、今は入れずに、チームの中でできることから始めるのも一つの選択です。
5. 指導者が変化を望んでいない
プロコーチが入っても、チームの指導者が「今のやり方を変えるつもりはない」という状態だと、何も残りません。
外部コーチが教えたことと、普段の練習で言われることが違えば、選手は普段のほうに戻ります。
保護者の方だけが「プロに見てほしい」と思っていて、指導者は望んでいない。
このケースも、無理に入れるとチームの中に溝ができてしまいます。
まずは指導者の方と、チームの課題について話すところから始めてください。
プロコーチを入れるメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| チームに新たな刺激になる いつもと違う人から、いつもと違う言葉で教わることで、選手の取り組み方が変わるきっかけになる |
チーム運営の負担額が増える 指導料や交通費がかかる。継続して入れる場合は、毎月の費用として考える必要がある |
| 一人ひとりを見られる人数が増える 指導者が足りないチームでも、フォームなど選手ごとの修正ができる |
役割分担のすり合わせが必要 先生・監督と外部コーチの方針がずれると、選手が混乱する |
| 指導者も学べる 指導の様子を見ることで、次の練習から使えるポイントが分かる |
単発だけでは変化が残りにくい 習慣を変えるには、継続して取り組む必要がある |
デメリットの多くは、依頼する前に決めておけば減らせるものです。
費用は続けられる頻度で考える、指揮を執る人を決めておく、何を変えたいかを一つに絞っておく。
この3つについては、記事の後半でまとめています。
入れるなら、単発か継続か
| 単発のクリニック | 継続の外部コーチ | |
|---|---|---|
| 向いているチーム | 目的がはっきりしている(シュートだけ見てほしい、など) | チームを長い目で変えたい、指導者が足りない |
| できること | その日のテーマを集中して指導 | 季節ごとにテーマを変えて、順番に積み上げる |
| 僕の場合 | 1回3時間のシュートクリニックかスキルクリニック | 月1回から(週2〜3回入っているチームもあります) |
料金や依頼の流れは、こちらの記事にまとめています。
愛知県のバスケクリニック・外部コーチの頼み方の記事を読む
依頼する前に、チームで確認しておきたい3つのこと
- 何に一番困っているか:一つでいいので、言葉にしておく
- 誰が指揮を執るか:外部コーチの役割と、先生・監督の役割を分けておく
- どのくらいの頻度で入ってもらうか:単発で足りるのか、継続が必要なのか
この3つが決まっていると、当日の内容がぶれず、終わったあとにチームに残るものが変わります。
実際に入ったチームから届いた声
指導したチームの方から届いたメッセージです(原文のまま・お名前やチーム名は伏せています)。
お世話になります!
嬉しい報告をさせてください
今日の大会で県大会出場を決めました
3Pが1試合で6本弱決めることができ、鈴村さんのご指導の賜物だと感じております本当にありがとうございました!
こーちー!!!!!!
勝ちましたぁぁぁぁ
34-29でロースコアゲームベスト4で東北進出決定です!!
つぎは準決勝がんばってきます
チームに入って、何をどんな順番で変えていったのかは、こちらの記事に詳しく書いています。
小さい選手を活かすチーム作り|ミニバス指導で最大の壁は習慣だった
まとめ
- プロコーチを入れた方がいいのは、顧問が未経験、指導者が足りない、小さい選手が力を出せていない、目的がはっきりしている、長い目で変えたい、何年も結果が出ていない、今のやり方で合っているか不安なチーム
- 入れなくてもいいのは、1回で強くなると考えている、指揮を一本化できない、困っていることが決まっていない、金額を気にして単発で済ませようとしている、指導者が変化を望んでいないチーム
- メリットは新たな刺激や一人ひとりを見られること、デメリットはチーム運営の負担額が増えること
- 目的がはっきりしていれば単発、チームを変えたいなら継続
- 依頼の前に、困っていること・指揮を執る人・頻度の3つを確認しておく
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ミニバス・中学の部活・クラブチーム、どこでもお受けしています。
内容が決まっていない段階のご相談でも大丈夫です。

