
「ツーハンドからワンハンドに、いつ変えればいい?」
「背が低いうちは、ツーハンドのほうがいいんじゃない?」
「ワンハンドにしたら、試合で入らなくなった」
シュートの相談で、とても多い質問です。
結論から言うと、ワンハンドへの移行に身長は関係ありません。そして、早いほうがいいと僕は考えています。
この記事では、小さい選手を専門に指導している僕が、ツーハンドからワンハンドへ移行するタイミング、最初にやる練習、移行中の試合での考え方をお伝えします。
実際に、身長143cmの中学1年生が1回のレッスンで3Pまで届くようになった例も紹介します。
ワンハンドへの移行に、身長は関係ない
「背が低いから、まだツーハンドで」と考える方は多いと思います。
でも、身長は関係ありません。
シュートを飛ばす力は、腕ではなく下半身から来ます。
下半身の力をボールに伝えられれば、背が低くても、力が弱くても、ワンハンドでリングまで届きます。
逆に言うと、ワンハンドで届かない選手の多くは、身長や力の問題ではなく、こんな体の使い方になっています。
- 腕だけで投げている:足りない力を「もっと強く投げよう」と補って、フォームが崩れる
- 手首の力で飛ばそうとしている:その日の調子で変わりやすく、入ったり入らなかったりが激しくなる
- ジャンプが使えていない:下半身の力がボールに伝わらないので、結局、腕や手首に頼る

届かない選手のシュートは、例えばこんな形になりがちです。
シュートが届かない原因については、こちらの記事で詳しく解説しています。
シュートが届かない原因と直し方|腕や手首ではなく「踵どん」で下半身から飛ばす
移行は早いほうがいい理由
移行を早くすすめる理由は、習慣です。
ツーハンドで打ってきた子にワンハンドを教えると、その場では「たしかにこっちのほうが良さそう」と納得します。
でも、試合で緊張した場面が来たら、体は今までやってきたほうを選びます。
何千回も繰り返してきた動きのほうが、圧倒的にやりやすいからです。
これは意志が弱いからではありません。
人は、正しいほうではなく、やりやすいほうを選びます。
ツーハンドで打った回数が増えるほど、ワンハンドに変えるのは難しくなります。
だから、変えるなら早いほうがいいのです。
習慣の話は、こちらの記事でも書いています。
小さい選手を活かすチーム作り|ミニバス指導で最大の壁は習慣だった
ワンハンドへの移行 4ステップ

ステップ1:踵どん
最初にやるのは、下半身から飛ばす「踵(かかと)どん」です。
まずはボールを持たずに練習します。
- スタンスを斜めにする:右利きなら右足が少し前に出るように構える
- つま先から踵へ重心を移す:斜めのスタンスのまま、つま先から踵へ力を伝える
- 踵で「どん」:踵に重心を乗せて、「どん」と音がするくらい強く地面を踏む
注意してほしいのは、自分で膝を深く曲げすぎないことです。
自分で膝を曲げて打つと、最後は腕で押し出すことになります。
膝は「曲げる」のではなく、体の使い方の中で自然に「曲がる」のが理想です。
ステップ2:ボールの持ち方と、ディップと同時に踵どん
ワンハンドでよく言われる「反対の手は添えるだけ」ですが、添えるだけだとボールをうまく飛ばせません。
ボールは抱えるように持ち、シュートを打つ手の肘に余裕ができる持ち方をします。
そして、ボールを押す動作(ディップ)と同時に、つま先から踵へ「どん」。
これを何度も繰り返します。
上半身と下半身がつながると、自分で曲げなくても膝が自然と曲がるようになります。
そのタイミングで気持ちよくジャンプできたら成功です。
実際の動きは、こちらの動画で見てください(「踵どん」の説明から再生されます)。
ステップ3:リングの近くから、少しずつ距離を伸ばす
いきなり遠くから打つのではなく、まずはリングの近くからワンハンドで打ちます。
近い距離で、踵どんの力でボールが飛ぶ感覚をつかんでから、少しずつ下がっていきます。

- 距離を伸ばすときは、動作は変えずに、ディップでボールを押す強さだけを変える
- どの段階でも、フォームが崩れたら1歩戻る
- 「どこまで届くか」ではなく、届くいちばん遠い位置で、フォームを変えずに打てるかを見る
練習のやり方は、こちらの動画で紹介しています。
ステップ4:試合でもワンハンドに挑戦する
「練習ではワンハンド、試合ではまだツーハンド」というやり方もありますが、僕は試合でもワンハンドに挑戦してほしいと考えています。
試合でツーハンドに戻すと、試合のたびに古い習慣が強くなってしまいます。
最初は入らなくてもかまいません。
試合でもワンハンドで打つことが、新しい習慣を作る一番の近道です。
143cmの中学1年生が、1回のレッスンで3Pまで届いた
先日、身長143cmの中学1年生の女の子が、ツーハンドからワンハンドへの移行をテーマにレッスンを受けてくれました。
体の使い方からワンハンドに取り組んだところ、1回目のレッスンで3Pまで届くようになりました。
しかも、止まって打つシュートだけでなく、試合で起きるいろいろな形で入るようになりました。
- ムービング:動きながらボールをもらって打つシュート
- ドリブル:ドリブルからのシュート
- バッドパス:パスがずれたときのキャッチからのシュート
止まって打つシュートだけが入っても、試合ではなかなか打てません。
試合では、きれいなパスが来ることのほうが少ないからです。
動きながら、ドリブルから、ずれたパスからでもワンハンドで打てるようになって、初めて試合で使えるシュートになります。
レッスンのあと、保護者の方がGoogleに口コミを書いてくださいました(原文のまま・お名前は伏せています)。
今回、シュートを中心にレッスンしていただきました。
(ツーハンドからワンハンドへの移行)
身体の使い方から非常に丁寧に教えて頂きました。
ワンハンドで3Pも届くようになり
フォームも見違えるようになりました。教えて頂いた事が、きっちりハマると
連続で決まり、本人も喜んでいます。また、継続してレッスンを受けたいと
本人も言っております。親としても、相談にのっていただきありがとうございました!
またよろしくお願いします。
「教えて頂いた事が、きっちりハマると連続で決まる」というのは、まさに下半身と上半身がつながったときの感覚です。
あとは、この感覚を習慣にしていくだけです。
ほかの口コミは、こちらにまとめています。
バスケ個人レッスンの口コミ
親御さん・指導者の方へ:移行中の声かけ
移行中は、ツーハンドのときより一時的に入らなくなることがあります。
そこで「ツーハンドに戻したら?」と言ってしまうと、また古い習慣に戻ってしまいます。
- 外れたときは、結果ではなくワンハンドに挑戦したことを言葉にする
- 比べるのは、チームメイトではなく前の自分
- 入ったときは、何が良かったかを一緒に確認する
よくある質問
ミニバスでも、ワンハンドにしたほうがいいですか?
はい。身長は関係なく、移行は早いほうがいいと考えています。
ただし、ミニバスの選手は無理に3Pまで打たなくていいです。
見てほしい基準は、届くいちばん遠い位置で、フォームを変えずに打てるかどうかです。
体が成長すれば、届く距離は自然と伸びていきます。
移行中、試合で入らなくなったらツーハンドに戻していいですか?
おすすめしません。
試合でツーハンドに戻すと、古い習慣が強くなります。
最初は入らなくても、試合でワンハンドに挑戦し続けることが、結局は一番の近道です。
家でできる練習はありますか?
踵どんは、ボールを持たずに家でも練習できます。
体育館や公園のゴールが使えるなら、リングの近くからのワンハンドシュートを続けてください。
名古屋・愛知でゴールが使える場所は、こちらにまとめています。
名古屋・愛知のバスケコートの記事を読む
まとめ
- ワンハンドへの移行に身長は関係ない。シュートは下半身から飛ばす
- ツーハンドの習慣が強くなる前に、移行は早いほうがいい
- 最初の練習は踵どん、次にディップと同時に踵どん
- リングの近くから始めて、フォームが崩れたら1歩戻る
- 移行中も、試合でワンハンドに挑戦する
- 143cmの中学1年生は、1回のレッスンで3Pまで届き、ムービング・ドリブル・バッドパスからも入るようになった


