
名古屋市を中心に、小さい選手を専門に指導している鈴村恵介です。
「うちの子、身長が小さいんです。ディフェンスはめちゃくちゃ頑張って体を張っているのに、ポストに入られた瞬間にやられてしまう」
「結局ファウルするしかなくて、毎回点を取られて監督に怒られるんです」
こういうご相談が、本当に多く届きます。ポストディフェンスの守り方を教えてください、というDMは、僕のところに来る質問の中でも上位です。
でも安心してください。小さい選手でも、ゴール下を止める方法はあります。やられているのは体格のせいではなく、守り方を知らないだけであることがほとんどです。
この記事では、身長差のある相手をポストで守るときの手順を、3つのステップに分けて説明します。
ポストで毎回やられる人が、必ずハマる2択
ポストディフェンスで悩んでいる人は、だいたいこの2つを行ったり来たりしています。

図1 ポストディフェンスの2択と、それぞれの弱点
前に出ると、裏にパスを通される
相手の前に立てば、ボールは入りません。ところが頭越しにふわっと落とされると、ゴール下でフリーの状態で受けられます。一番やられたくない形です。
後ろにいると、そのまま押し込まれる
では後ろで守ればいいかというと、今度は体格差がそのまま出ます。受けられて、押されて、ねじ込まれて終わり。ここでファウルするしかなくなります。
つまり、「前か後ろか」で考えている限り、どちらを選んでもやられます。考え方を変える必要があります。
ステップ1 ボールが入る前に、正面へ入る
一番大事なのは、ボールが入る前の勝負です。入ってから何とかしようとするから苦しくなります。
先に走って、前に回り込む
センターの選手に先にポジションを取られてしまうと、その時点で終わりです。相手より先に走って、フリースローライン付近で前に回り込みます(フロントターン)。
スライドで入る。クロスして入らない
ここが一番の分かれ目です。

図2 フロントに入るとき スライド ○ / クロス ×
足を交差させて回り込むと、一瞬だけ体が流れます。その瞬間に相手が後ろへ引くと、置いていかれます。
足をクロスさせず、半身のまま横へずれて前に出る。こうすれば、相手が引いてもそのまま付いていけます。
ステップ2 足は「先に」、腕は「小指側」
正面に入るとき、体の使い方には2つのコツがあります。ここを知らないと、小さい選手はどうやっても押し負けます。

図3 体の入れ方 足は「先に」/腕は「小指側」
① 自分の前足を、相手の前足より先に出す
足の位置が並んでしまうと、あとは押し合いです。押し合いになった時点で、体格差のある相手には勝てません。
自分の前足が、相手の前足より半歩ゴール側に出ている。この状態を作れるかどうかで決まります。
② 腕は「小指側」で押さえる
ここは知らない人がとても多いところです。
腕で相手を持っていこうとすると、力比べになります。力比べは体格差がそのまま出るので、小さい選手は必ず負けます。ボールも弾かれやすくなります。
そうではなく、前腕の小指側の面を相手に当てて、腕と腕を密着させます。こうすると、間に入られません。
ステップ3 入られた後は「両方」を守らない
それでも、届かない状態でボールが入ってしまうことはあります。そのときにやることは決まっています。

図4 入られた後は「両方」を守らない コースを1本に限定する
やりがちなのは、正面で構えて両方を守ろうとすることです。これをやると左右どちらにも回られ、体格差でそのままねじ込まれます。
正解は、あらかじめ半身をずらして、コースを1本に限定すること。消す側と通す側を、自分で決めてしまいます。
ひとりで守り切らなくていい
ここは保護者の方にも、指導者の方にも知っておいてほしいところです。
バスケットボールはチームでやる競技です。小さい選手がほんの少し粘るだけで、時間が稼げます。その間に、仲間がヘルプに来られます。
「ひとりで完全に止める」必要はありません。2秒粘る。それだけで守れる形はいくらでもあります。この前提を共有しておくと、子どもがゴール下で心が折れにくくなります。
守り切った後こそ、最後の落とし穴
意外と見落とされているのがここです。
粘って、相手の裏まで戻って、守り切った。ところがその状態からシュートを打たれると、結局やられます。リバウンドまで取られます。せっかく守った意味がなくなります。

図5 守り切った後 押し出してから、ボックスアウト
裏まで戻れたら、次にやることは外へ押し出すことです。ゴールから遠ざけます。
そして押し出した状態のままボックスアウトしないと、また取られます。相手がシュートを打つところを見てから、体を当てにいく。この順番です。
3ステップのまとめ
| ステップ | やること | 外してはいけない点 |
|---|---|---|
| 1 入る前 |
先に走って、フリースローライン付近で前に回り込む | 足をクロスさせない(スライドで入る) |
| 2 体の入れ方 |
前足を相手の前足より半歩先に。腕は小指側で押さえる | 力比べにしない |
| 3 入られた後 |
コースを1本に限定する。守り切ったら押し出してボックスアウト | 両方を守ろうとしない |
この3つは、身長が高い選手を相手にするときほど効きます。体格で勝てない前提で組み立てられているからです。
動画でも解説しています
実際の動きは、動画で見てもらった方が早いです。この記事の内容を、コートの上で説明しています。
攻める側も知っておくと、守りが速くなる
ディフェンスが上手くなる一番の近道は、攻める側が何を考えているかを知ることです。
身長差のある相手を「抜く側」の考え方は、こちらの記事にまとめています。合わせて読むと、今回の3ステップがなぜ効くのかが分かります。
背が高い相手の抜き方|バスケ1on1で身長差を覆す3ステップ
まとめ
ポストで毎回やられてしまうのは、前か後ろかの2択で考えているからです。
やることは、ボールが入る前に先に走って前に入ること。足を先に出して、腕は小指側で当てること。入られたらコースを1本に絞り、守り切ったら押し出してボックスアウトすること。
どれも身長は関係ありません。知っているかどうかだけです。
ここに書いたことを、実際にコートの上で体に入れたい方は、個人レッスンで細かく指導しています。身長差で守れない、シュートをブロックされる。そういう選手に向けたレッスンです。
実際に受けた方の感想はこちらにまとめています。

